南アフリカホームステイブログ

南アフリカでホームステイするアラフォー備忘録。時には厳しくめった切り、時にはハートフルな感動をお届け。気まぐれ男の気まぐれブログ。

①虹の国⋅南アフリカ生活

【近況報告】
今、南アフリカにいます。
障害児者デイケアセンターで働きながら、現地の村で現地人の同僚家族と暮らしています。
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なぜと聞かれることが、多くなってきたので、ブログで説明します。

南アフリカに来た理由】
今から5年位前、日本の障害者通所施設で働いていました。
日本では特に発達障害の利用者支援に力を入れてきました。
立場的にも10年以上のベテランだったので、日々、施設の目指す方向性や後進育成に頭を悩ませておりました。

しかし、毎日の生活に追われるばかりで、利用者の処遇改善も進まず、支援者の協力も広がっていかない状況がありました。
非力な自分を嘆き、心身のエネルギーが極限まで磨り減っていました。
そんな時に、ある出会いが私を変えました。
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【師匠との出会い】
その方は当時、60代の女性の発達障害の専門家でした。
彼女は、私たちの入職依頼を聞き入れ関東から引っ越してまで、力を貸してくれました。
年齢を感じさせないエネルギーに満ちたその女性は、パートの安い給料で毎日、4時に起きて、利用者の自立課題を作ることから1日をスタートさせます。
彼女の目標は、個々の障がい特性に応じた室内プログラムの構築や利用者が自立して生きていくための手立てやしかけを作っていく事です。

見える形でわかりやすく―TEACCHにおける視覚的構造化と自立課題

見える形でわかりやすく―TEACCHにおける視覚的構造化と自立課題

支援者の理解が広がっていかない環境下で、実践と事前準備を繰り返し、コツコツと積み上げていきました。
半年が経過するころには、彼女に学びたいという人も少しずつ出てくるようになり、彼女の自宅は、発達障害の自立課題作成のための工房になっていました。
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【技術移転】
彼女は自分が学んできた経験やノウハウを他者に惜しむことなく継承し、自宅に招き入れながら、賛同者を増やしていきました。
彼女の行動力や打たれ強さのルーツを探っていくとJICAでの途上国支援の経験が大きく影響しているようでした。
いつしか、私はJICAのOB会や説明会などに参加しながら、協力隊の話を聞くようになっていました。

【支援の組み立て】
彼女はいらなくなった空き箱や広告などを利用して個々の利用者の段階に合わせて課題を作成し、状態に合わせて改修をしていきます。
また、紙と鉛筆で、利用者に向けて行動の理解を促すためのストーリーを書きます。コミュニケーションが難しい利用者は、いつしか彼女のストーリーに耳を傾け、行動が広がっていきます。

ソーシャルストーリー・ブック 入門・文例集【改訂版】

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彼女は彼女のできることをコツコツ積み上げていきます。

日本でも海外でも粘り強く、発達障害の利用者理解と彼らの教育支援の普及に勤められました。
先日、彼女がニカラグアで記念切手になった画像がありました。
ODA 日⋅ニカラグア外交関係樹立70周年記念切手らしく、日本で20年分の仕事をニカラグアで3年でしたら、切手になったみたいです。
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【反省と挑戦】
私は人を頑張らせることに必死になっていた自分を振り返り反省しました。
そして彼女の泥臭さに多くを学びました。
失敗を勉強するのが人生、今ではそう思えるようになりました。
私も彼女のように困難に立ち向かう忍耐力と勇気を持ちたい。
そう思って、今、南アフリカにいます。